芸術としてのピアノ演奏 ピアノ奏法の新しい美学 L・クロイツァー 村上紀子訳 音楽之友社

発行年:昭和52年第4刷

出版社:音楽之友社

状態:【並み】お読みいただく分には問題ありません

詳細:函のフチにヨレ・イタミ、函背ヤケ退色あり 本文は使用感少なくきれいな状態です ハードカバーA5判

本文 より

…標題音楽の場合、標題は聴き手よりも作曲者にとって重要なのである。作曲家は自分自
身の霊感を得るために、詩的幻想を必要とする。彼はまず外界の形象を観察することに専
念し、自分をある詩的な継続状態に置くよう試みる。そして、その直接的反応を再現しよ
うとする(<別れ>とか<平和な集い>など)。また別の場合には、周知の文学や歴史上の
事件を音楽にする。…

…ベルリオーズには、要するに作曲するためにあの標題が必要だったのである。リストは
もともと立派な彼の音楽に、「教養ある」聴衆を標題という回り道をしてひきつけようと
した。チャイコフスキーの場合は、彼になじみのうすい交響詩という形式で作曲するため
に、二、三の拠りどころを標題に求めた。オペラ作曲家でもあるリヒャルト・シュトラウ
スは、霊感を文学の中に求めた。ただし彼の作品には、常に、一つの単純な心理的曲線が
認められる。すでに彼の "死と変容" には、これがもっとも単純な、人間的にもっとも理
解しやすい推移として表われている。かりにもし彼の作品に、華麗な均整のとれた構成や
明快さ、人間的な、一般にも理解できる葛藤や感情の起伏といったものを見出さないとし
たら、彼の曲は非芸術的なものということになろう。

訳者あとがき より

 本書は、レオニード・クロイツァーの <Das Klavierspiel als Kunst>の草稿からの全訳
です。タイプで打った草稿だけが残されましたので、その成立年代は明らかではありませ
んが、彼のドイツ時代の既刊の著書「正しいピアノ・ペダル Das normale Klavierpedal」
(1915 ライプチヒ ブライトコプフ・ヘルデル社)と「ピアノ・テクニックの本質 Das Wes-
en der Klaviertechnik」(1923 ベルリン ヘッセ社)および、ショパン・ピアノ全集の校訂
(Ullstein 版)などと本書の内容から考えてみると、1915年から1931年くらいまでのある時
期に書かれたものと想像されます。…
型番 B170812
販売価格 3,000円(内税)
『SOLD OUT』 売り切れ/在庫なし

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